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カラにしてみれぽ、コンピューターの内部など、何百回も見たことがあるにちかいないが、それでも彼は、ジェイコプと同じくらい魅入られたようすで、明るく輝くまぶたのない目をひたと機械にずえ、瞑想にふけっているようだった。
 やっとのことで、カラはパネルにふたをした。ジェイコブはこのETが疲れているらしいことに気がついた。きっと働きすぎなのだろう美容保養品。ふたりはほとんど話をしないまま、ゆっくりとドームをまわりこんで、ジェフリーとケプラーのもとへもどった。
 チンパソジーとケプラーは議論をしており、ジェイコプはなにを言いあっているんだろうと聞き耳をたてたが、カメラの一台についてのこまかい目盛りあわせについてのことで、ほとんど意味がわからなかった。
 やがてジェフリーは、洞穴の床でやらなければならないことがあるからと言って出ていき、カラもすぐにそのあとを追って出ていった。ふたりの人間は、機械のことなどを話しながら、もう二、三分そこにとどまっていたが、それからケプラーが、ジェイコプの先に立ち、きたときのループをもどるようにとうながした。
 ジェイコブがなかほどまでループを登ったところで、ふいに前方から騒ぎが聞こえてきた。だれかが怒って叫んでいるようだ。ジェイコプは湾曲した重力ループに関して目が伝える情報を無視しようと努めながら、足を速めた。だが、この通路は、大急ぎで通り抜けるようにはできていなかった。複雑な形状をした重力場の強さが場所によって段階的に変化し、まちまちの力で体を引っばるのだ。ジェイコプははじめて混乱を覚えた。
 ループの頂点では、固定の甘いフロアー・プレートを踏んづけてしまい、湾曲した床ぞいに、プレートと何本かのボルトをはじきとばしてしまった。なんとかバラソスを保とうとしたが、湾曲した通路の頂点で、パースペクティブがとくに異様だったため、いた。やっとのことで表デッキに出るハッチにたどりつくころには、もうケプラーが追いついてきていた。
 叫び声は、船外から聞こえていた。
 傾斜路の下で、ファギンが動揺して枝葉をゆらめかせている。基地の要員たちが何人も駆け寄ってくる。騒ぎの中心は、レスラー同士のようにがっぷりと組みあったまま動かない、ラロックとジェフだ。
 顔をまっ赤にし、荒い息をしながら、ラロックは首を絞めつけるジェフの手をふりほどこうと必死になっていた。拳で殴りつけてはいるが、なんのダメージも与えていないようだ。チンプは何度も何度も叫びながら、歯をむきだし、ラロックの頭を自分の頭の高さまで引きずりおろそうと、やみくもに引っぱっていた。どちらもまわりに人だかりがしているのには気づいていない。ふたりを分けようと何本もの手がさしだされても、見向きもしない。
 の知的生物の証拠だ」
 ジェフがすっと背筋を伸ばした。必死に冷静そうなそぶりを装いながら、ケプラーとカラにうなずいて見せた。ふたりは彼を離し、ジェイコプはあとずさった。
 知性化計画でイルカとチンプをみごと3333+飲食計劃